2014年 02月 28日
作品の遺伝子 |
2013年10月に開催された神戸・カリグラフィー・フォーラム最後の展覧会。私は2作品を出品した。その作品達について書きたいことをずっと持ったまま年を越し、今日で2月も終わる。2作品とも、作り終わってから、そして展示が終わってから、それぞれの作品が生まれる前から持っていた遺伝子的なものを発見した。そんなことをここに書いてみたい。
キャンバスにアクリルと彩墨で描いたこの作品。ここ数年の私の作品としては珍しく「色」があり、表面の山吹色の下には、全面にオレンジが入っている。
この作品はスケッチだけ家のスタジオで描き、あとは牛窓の実家で制作した。展示中、なぜこの色を?と何人かに尋ねられたが、最初から迷うことなくイメージできていたものに上手く説明がつけられなかった。すると、親しい友人が「牛窓のご両親の家で壁に描かれた作品とつながっていますよね。」「色もそうですし、文字の雰囲気も似ていませんか?」と。
友人が言ったのは、数年前実家の庭の壁にペンキで描いたこの「太陽の家 CASA DEL SOLE」のことだ。確かに!!両親の家は、県のキャッチフレーズを「晴れの国岡山」と謳い、その中でも瀬戸内の穏やかな海を臨む、牛窓の南斜面に立っている。実は屋根瓦もオレンジがかったいわゆるスペイン瓦なのだ。
牛窓で仕上げることにして作り始めたこのキャンバス作品。牛窓行きの荷物に入れた絵の具選びにも迷いはなかった。どうやら私の中にある実家のイメージをベースにこの作品が出来上がっていったらしい。光が燦々と降り注いでいるようにも見えてきた。自分で気付いていない何かが脈々と流れているようだ。作品は頭だけでなく、その人の中にある全てで作っているのだと、改めて気付かされた。
作品に書いた言葉
If the path be beautiful let us not ask where it leads.
その道が美しければ、どこに続くのかは問わずにおこう。-Anatole France-
清水裕子ウェブサイトはこちらから
キャンバスにアクリルと彩墨で描いたこの作品。ここ数年の私の作品としては珍しく「色」があり、表面の山吹色の下には、全面にオレンジが入っている。
この作品はスケッチだけ家のスタジオで描き、あとは牛窓の実家で制作した。展示中、なぜこの色を?と何人かに尋ねられたが、最初から迷うことなくイメージできていたものに上手く説明がつけられなかった。すると、親しい友人が「牛窓のご両親の家で壁に描かれた作品とつながっていますよね。」「色もそうですし、文字の雰囲気も似ていませんか?」と。
友人が言ったのは、数年前実家の庭の壁にペンキで描いたこの「太陽の家 CASA DEL SOLE」のことだ。確かに!!両親の家は、県のキャッチフレーズを「晴れの国岡山」と謳い、その中でも瀬戸内の穏やかな海を臨む、牛窓の南斜面に立っている。実は屋根瓦もオレンジがかったいわゆるスペイン瓦なのだ。
牛窓で仕上げることにして作り始めたこのキャンバス作品。牛窓行きの荷物に入れた絵の具選びにも迷いはなかった。どうやら私の中にある実家のイメージをベースにこの作品が出来上がっていったらしい。光が燦々と降り注いでいるようにも見えてきた。自分で気付いていない何かが脈々と流れているようだ。作品は頭だけでなく、その人の中にある全てで作っているのだと、改めて気付かされた。
作品に書いた言葉
If the path be beautiful let us not ask where it leads.
その道が美しければ、どこに続くのかは問わずにおこう。-Anatole France-
清水裕子ウェブサイトはこちらから
by letter-arts
| 2014-02-28 18:33
| カリグラフィー